建設発生木材のゼロ・エミッション

工法概要

根をリサイクル工法とは

根をリサイクル工法(Neo Recycle Method)は、根株、伐採木、型枠廃材などの建設発生木材を法面緑化工の生育基盤材として現場内で再利用し、機械化施工により効率的かつ安全に法面に吹付ける工法です。

根をリサイクル工法には、下記の2種類の工法があります。
(1)「根をリサイクル工法 根を堆肥」
現場内でチップ化および堆肥化を行います。堆肥化による減容効果により比較的大量の再利用が可能となります。
(2)「根をリサイクル工法 根を生チップ」
現場内でチップ化した後、そのまま再利用します。堆肥化期間やヤードを必要としないため、工期の短い現場や、規模の小さい現場にも適しています。

  • 根を堆肥
  • 根を生チップ

― 関東地方整備局の平成14年度重点活用技術に選ばれました ―

1. 伐採チップ化

現場内に設けた堆肥ヤードに木材を集積し、木材を3cm程度の大きさにチップ化し、堆肥化を行います。写真-1に示す木材粉砕機を用い、2回の粉砕を行います。

チップの大きさは、堆肥化に支障がなく、使用圧送ホースで圧送可能なサイズです。
チップ化により抜根材、伐採材は60%程度の容積となります。


▲写真-1 木材粉砕状況(二次粉砕)

2. 堆肥化

チップ材に微生物補給材、発酵助剤などを混合し、水分を調整して堆肥化します (写真-2)

堆肥化の標準期間は、2~3ヶ月です。発酵中は、月1回程度の切り返しを行います。
チップ材は発酵にともない、温度が上昇します。このときの最高温度は通常60~70℃程度です。
発火しないように十分な管理を行います。図-3 はチップ材の温度履歴例です。

現場内で製造される堆肥化チップは、有機質系厚層基材吹付工で使用されるバーク堆肥と同等の品質が得られています。 


▲写真-2 堆肥化チップ作成のための仕込み(散水)


表-2 発酵状態の推移例
PH
(H20)
EC
(mS/cm)
コマツナ
発芽率(%)
花粉管
成長率(%)
開始時 6.4 0.12 96 19
1ヶ月 7.2 0.98 85 15
2ヶ月 7.5 0.37 92 47
3ヶ月 7.5 0.28 100 118
 科学分析による評価 : pH[6.5~7.5],EC(電気伝導度)[0.1~0.3]
生物の反応による評価 : コマツナ発芽率[80%以上],花粉管成長率[80%以上]

3. 吹付け

(1) 材料配合
表-3 に吹付材料の配合例を示します。
吹付け後1m3の生育基盤材の数量が1.6~1.8m3となっているのは圧密量を考慮しているためです。
接合剤は、堆肥化チップ相互の結合力と、降雨に対する耐侵食性を高めるために用います。
種子の種類および播種量は、のり面の施工目的や、木本群落や草本群落などの復元目標、施工場所の気候、施工時期等を十分に考慮して選定します。

(2) 材料の計量および混合

吹付材料(堆肥化チップ、接合剤、種子など)を均一に混合するため、特殊な2軸のバッチミキサを使用します(写真-4)。1バッチの混合量は1.0~1.5m3が標準です。各材料は撹拌しながら投入し、混合してから排出します。ミキサ下に待機させたダンプトラックなどにより、吹付ヤードへ混合後の生育基盤材を運搬します。

(3) 回転式ノズル『シゲル君』による吹付け
吹付ヤードの材料は、吹付ガン、圧送ホースを通ってバックホウのバケットに取付けた回転式ノズル『シゲル君』(写真-5)から、のり面に吹付けます。そのため、吹付材料の吐出量は従来工法の2倍以上を確保できます。写真-6 はのり面への吹付け状況です。

回転式ノズル『シゲル君』は、ノズルマンのノズル操作を模擬した筒先の回転首振り運動により、大容量の吹付けにも関わらず平滑でムラの少ない仕上り面を形成できます。

『シゲル君』は、クランプによってバケットの大きさに関係なく簡易に取付けができます。特別なアタッチメントとバケットを交換する必要はありません。したがって、土工事用の汎用バックホウを転用することができます。
写真-7 は『シゲル君』のバックホウへの取付状況です。

表-3 材料配合例(吹付け後1m³)
品目 成分 数量
生育基盤材*1 抜根・伐採材の
堆肥チップ
1.6m³~
1.8m³
水分調整剤*1 ---
現場発生土*2 ---
接合剤 ポリアクリルアミド 1kg
種子 1式
*1 1式
*1:生育基盤材に応じて添加します。
*2:必要に応じて適切な材料を添加します

▲写真-4 2軸ミキサによる練混ぜ

▲写真-5 回転式ノズル「シゲル君」

▲写真-6 のり面への吹付け状況

▲写真-7 「シゲル君」の取付け状況

4. 耐浸食性

降雨に対する耐侵食性について検討するため、実施工と同様の方法で写真-8 に示す試験体を作製し、宮崎大学において耐侵食性試験を行いました。
試験体は『根をリサイクル工法』と『撒き出し工法』の2種類です。
試験は、図-4 に示す降雨装置を用いて強度100mm/h(落下高4m)の降雨を60分間のり面材料に曝し、10分毎に表面からの流失量(絶乾土量)を測定するものです。試験は同一の試験体に対して、吹付け後、3日、1週間および1ヶ月の計3回行いました。
図-5 に示すように流出量の最も多い材齢3日の乾燥流出量は、7g/m2程度と非常に少なく、撒き出し工法と比較すると10分の1以下となりました。


▲写真-8 耐浸食性試験状況
左:撒き出し工法,
右:根をリサイクル工法

 

5. のり面緑化

同時期に実施した『根をリサイクル工法』と『撒き出し工法』において、3ヶ月後の植生比較を行った例を表-4、写真-9 に示します。
使用した種子は、レッドクローバー、ヨモギ、トールフェスク、クリーピングレッドフェスク、メドハギです。
撒き出し工法は強害雑草に覆われるため、導入種の発芽生育が阻害される傾向が見られました。 

表-4 植生比較例(施工3ヶ月後)
工法 施工厚さ
(cm)
発芽率
(%)
被覆率
(%)
雑草進入状況
(コドラート区内本数/m2)
植生
判定結果
撒き出し工法 7 19 100 種類数とも多い(185)
根をリサイクル工法 7.2 0.98 85 少ない(0)

写真-9
▲写真-9 コドラート法による植生比較(施工後1ヶ月程度)
[種子:レッドクローバー、ヨモギ、トールフェスク、クリーピングレッドフェスク、メドハギ]

1. 伐採チップ化

現場内に設けたヤードに木材を集積し、吹付け時に使用する圧送ホースで圧送可能なサイズ(25mm以下)までチップ化します。
伐採木・抜根の性状や破砕機の性能にも左右されますが、通常は写真-1に示す木材粉砕機を用い、2回の粉砕を行います。

木材は、チップ化により野積み状態に比べて60%程度まで減容化されます。


▲写真-1 木材粉砕状況(二次粉砕)

2. 混合

生チップと副資材・接合材を混合して生育基盤材を製作します。
各材料と生チップの性状にあわせた水を投入し、材料攪拌ミキサを使って混合します。
混合された生育基盤材は、ベルトコンベア等を用いて吹付けガンへ連続的に投入します。

材料配合例(吹付け後1m3)
名称 規格 数量
基盤材 生チップ(25mm以下) 1.2m3
副資材 根をアシスト 0.5m3
接合剤 なま根くん 20kg/m3
種子 1式
適宜


・無機系の緑化吹付接合材で環境問題となる物質の溶出がありません。
・下地が良質であれば、勾配1:1.0(45°)以下の造成のり面では、ラス張り不要。
・リバウンドが少なく、作業性に優れ工期短縮・コスト縮減が実現します。
・埋土・飛来種子の利用が可能で、周辺環境と連続した自然を再生し保持できます。
製造元:小野田ケミコ株式会社(http://www.chemico.co.jp/
・微生物と窒素分を多量に含み、生チップの堆肥化をサポートします。
・細粒分が多く、生育基盤材として不足しがちな保水性・保肥性を補います。
荷姿:40リットル/袋入り
配合:有機質系特殊肥料,有機質系普通肥料,粘土鉱物
製造元:富士見緑化株式会社(http://www.fujimi-group.co.jp/

▲材料攪拌ミキサへの投入状況

3. 吹付け

(1) 材料配合
表-3 に吹付材料の配合例を示します。
吹付け後1m3の生育基盤材の数量が1.6~1.8m3となっているのは圧密量を考慮しているためです。
接合剤は、堆肥化チップ相互の結合力と、降雨に対する耐侵食性を高めるために用います。
種子の種類および播種量は、のり面の施工目的や、木本群落や草本群落などの復元目標、施工場所の気候、施工時期等を十分に考慮して選定します。

(2) 材料の計量および混合

吹付材料(堆肥化チップ、接合剤、種子など)を均一に混合するため、特殊な2軸のバッチミキサを使用します(写真-4)。1バッチの混合量は1.0~1.5m3が標準です。各材料は撹拌しながら投入し、混合してから排出します。ミキサ下に待機させたダンプトラックなどにより、吹付ヤードへ混合後の生育基盤材を運搬します。

(3) 回転式ノズル『シゲル君』による吹付け
吹付ヤードの材料は、吹付ガン、圧送ホースを通ってバックホウのバケットに取付けた回転式ノズル『シゲル君』(写真-5)から、のり面に吹付けます。そのため、吹付材料の吐出量は従来工法の2倍以上を確保できます。写真-6 はのり面への吹付け状況です。

回転式ノズル『シゲル君』は、ノズルマンのノズル操作を模擬した筒先の回転首振り運動により、大容量の吹付けにも関わらず平滑でムラの少ない仕上り面を形成できます。

『シゲル君』は、クランプによってバケットの大きさに関係なく簡易に取付けができます。特別なアタッチメントとバケットを交換する必要はありません。したがって、土工事用の汎用バックホウを転用することができます。
写真-7 は『シゲル君』のバックホウへの取付状況です。

表-3 材料配合例(吹付け後1m³)
品目 成分 数量
生育基盤材*1 抜根・伐採材の
堆肥チップ
1.6m³~
1.8m³
水分調整剤*1 ---
現場発生土*2 ---
接合剤 ポリアクリルアミド 1kg
種子 1式
*1 1式
*1:生育基盤材に応じて添加します。
*2:必要に応じて適切な材料を添加します

▲写真-4 2軸ミキサによる練混ぜ

▲写真-5 回転式ノズル「シゲル君」

▲写真-6 のり面への吹付け状況

▲写真-7 「シゲル君」の取付け状況

4. 耐浸食性

降雨に対する耐侵食性について検討するため、実施工と同様の方法で写真-8 に示す試験体を作製し、宮崎大学において耐侵食性試験を行いました。
試験体は『根をリサイクル工法』と『撒き出し工法』の2種類です。
試験は、図-4 に示す降雨装置を用いて強度100mm/h(落下高4m)の降雨を60分間のり面材料に曝し、10分毎に表面からの流失量(絶乾土量)を測定するものです。試験は同一の試験体に対して、吹付け後、3日、1週間および1ヶ月の計3回行いました。
図-5 に示すように流出量の最も多い材齢3日の乾燥流出量は、7g/m2程度と非常に少なく、撒き出し工法と比較すると10分の1以下となりました。


▲写真-8 耐浸食性試験状況
左:撒き出し工法,
右:根をリサイクル工法

 

5. のり面緑化

同時期に実施した『根をリサイクル工法』と『撒き出し工法』において、3ヶ月後の植生比較を行った例を表-4、写真-9 に示します。
使用した種子は、レッドクローバー、ヨモギ、トールフェスク、クリーピングレッドフェスク、メドハギです。
撒き出し工法は強害雑草に覆われるため、導入種の発芽生育が阻害される傾向が見られました。 

表-4 植生比較例(施工3ヶ月後)
工法 施工厚さ
(cm)
発芽率
(%)
被覆率
(%)
雑草進入状況
(コドラート区内本数/m2)
植生
判定結果
撒き出し工法 7 19 100 種類数とも多い(185)
根をリサイクル工法 7.2 0.98 85 少ない(0)

写真-9
▲写真-9 コドラート法による植生比較(施工後1ヶ月程度)
[種子:レッドクローバー、ヨモギ、トールフェスク、クリーピングレッドフェスク、メドハギ]

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